
ボストン中心部からさほど遠くない所に、17世紀に恐ろしい魔女狩りが起こった町、セーラムがあります。博物館もあるとのことで、脚を運んでみました。
ボストンから車ですと30分ほど、コミューターレイルでも同じくらいの時間で行けてしまいます。Rockport/Ipswich線、Selem駅下車。
セイラム魔女裁判とは
ことの始まりは1692年、サミュエルという牧師の娘をふくむ少女たちが降霊会に参加中に異常な行動をとり、その原因が不明だった為に悪魔に取りつかれたとされてしまった。
では、少女たちにを悪魔を取りつかせたのはだれなのか。魔女探しがはじまる。。。
村の中で立場の弱かった女性3人が挙げられ、魔女であることを認めなかった二人は死刑となってしまう。残った一人は嘘の自白することにより命は助けられた。その自白とは、自分は悪魔との契約をした、というものだった。
ちなみに魔女、とはいうが女性に限ったわけではなく、悪魔と契約をすればたとえ男性でも魔女、であるらしい。
話を戻すと、命が助かった一人は「他にも魔女がいる」と証言、魔女探しは一気に加速していった。
当時セーラムの村の人口は1700人程であったのに、魔女として疑われたのは200人ほどにものぼる。「集団心理の暴走」と言われる訳である。おかしいと思っている者いただろうが、批判すれば自分も魔女にされてしまうかもしれないのだから。。。
はじめは自分が魔女であると認めさえすれば命は助けられたが、容疑者が増えるにしたがってそうではなくなってしまったようだ。
翌年、マサチューセッツ州知事により収監されていた人々は解放されたが、それまでに処刑されたのは19人、他にも獄中で5人、拷問で1人が亡くなっている。
Selem Witch Museum
セーラムの街は落ち着いた田舎町で、過去にそんな悲劇が起こったとは想像しづらいけれど、博物館を訪ねるといろいろと考えさせられました。
手入れのいき届いた庭のなかにある博物館には、ロウ人形で同時に裁判前後の様子が生々しく再現されています。魔女に疑われて裁かれている人の苦悶の表情、裁判を見守る聴衆、裁判官。ストーリー仕立てで場面が進んでいくのでゾッと背筋がさむくなりました。いつ、自分が無実の罪をきせられるかわからない生活の苦しさは想像できません。
なぜこんな悲劇を生んでしまったのだろう。
形は違っても、同じような事を300年後の人間もしてやしないだろうか。人間の恐ろしさをひしひしと感じた1デートリップでした。
ボストンから近いですので、ご興味が有ればぜひお尋ねください。小さなお子さまには刺激が強いのであまりおすすめ来ませんけれども。